論文の中には、新しく実験などを行う論文だけでなく、これまでの研究の成果や歴史をまとめる、「レビュー論文」というものがあります。ナラティブレビューは、その中の手法の1つです。どんなものだっけ?と思ったら、ぜひこの記事を思い出してくださいね。
ナラティブレビュー(Narrative Review) とは?
ナラティブレビューは、事前に評価基準を設けるのではなく、類似のトピックの論文を要約し、まとめていく方法のレビュー方法を指します。このような論文により、私たちは大量の論文を読まなくても、ある分野のこれまでの研究のおおまかな内容や傾向について知ることができます。
また、Greenほか(2006)が述べているように、
These full length articles provide a new conclusion to the literature, not the brief summary of literature that is given typically in the introduction or discussion sections of other research designs.
単なるまとめで終わるのではなく、先行研究のレビューを通して、独自の結論を導き出すことも重要です。例えば、あまり研究が蓄積されていない分野があるので研究するべきとか、このトピックはここ数年間で研究される数が減ったので、需要がなくなったのではないか、などですね。
また、一般的に論文の形で発表されるものに関しては、ナラティブレビューの中でも、「解説論文」(overview article)に分類されます。
これまでに発表された内容を物語のように順序だてて簡潔にまとめ、筆者の意見を述べることが特徴です。
ナラティブレビューの意義
ナラティブレビューは、その分野で議論されているトピックの歴史や発展、解決策について知ることができます。つまり、「〇〇」というトピックについて知りたい!というとき、ナラティブレビュー論文を探せば、そのトピックについて、①誰が、②どんなテーマで、③どのように研究し、④どのような結果が出たか、を概観することができます。

論文界の入門書のようなイメージだよ
また、その分野ですでに研究している人たちにとっても、新たな議論の種になったり、研究されていない視点や、解決していない点を見つけるための指標になる、という重要な役割があるのです。
まとめ
このように、あるテーマに興味を持ったばかりの人や、研究者にとって、指標となる論文がナラティブレビューです。卒業論文を書くときは、事前に自分のテーマに関するナラティブレビュー論文がないか、探してみるのもいいですね。
この記事を書いた人
参考・引用文献
堀越香,岡美智代. (2025)『ナラティブレビューの概要:考え方,書き方,評価ツール』「日本保健医療行動科学会雑誌」39,2. pp.42-48
Bart N Green, Claire D Johnson, Alan Adams. (2006) Writing narrative literature reviews for peer-reviewed journals: secrets of the trade. Journal of Chiropractic Medicine. 5. pp.101-117.



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