今回は、BBCで見つけた興味深い記事を見つけたので、一緒に読んでいきましょう!
読んでいく記事はこちら!

タイトルは、The lost languages of ancient humans: Listen to stone-age chat.
日本語訳すると、「古代の人類の失われた言語: 石器時代のおしゃべりを聞く」と言った感じでしょうか。
大昔の人々がどんなふうに話していたのか、とても気になりますね!早速読んでいきましょう!
早速読んでいくと、4段落目にこんな記述があります。
There are two main theories on how language came to be.
これまで、言語の起源について様々な研究が行われてきており、2つの主流な仮説が存在するとのこと!今回は、その2つの仮説を深堀りしてみましょう!
説①「言語は思考と同時に生まれた説」
1つ目の説は、人類の知能が進化し、抽象的なことを思考できるようになったのと同時に言葉が生まれた、という説です。
しかしながら、石器時代の文字は残っていないため、石器人の書いた小説や記録が残っているわけではありません。(あったら読んでみたい……。)
そこで、根拠となるのが「道具」です。記事内では、考古学者のJames Cole氏の言葉を引用し、「道具」と「言語」の結びつきについて、このように述べられています。
“Hand axes are interesting stone tools because they are the first time that we see an imposition of deliberate form,” he says. “To impose form, you’ve got to have a preconceived idea of what that shape is. To hold that idea in our heads means that we have an ability to imagine.”
That capacity for abstract thought, suggests Cole, may also be the bedrock of language. Take the word “tree”, he explains. “The word doesn’t bear a relationship to the object in the way that a sign or a symbol might. So, the label has to gain traction through a commonality of understanding within a cultural group. So when I say the word tree, you know it’s a tree.”
ここで出てきた木の例えは、「言語の恣意性」を表していると言えます。言語の恣意性とは、言葉とそれが表す内容の結びつきが必然的でないことを表します。
下の図のように、世界には様々な言語があり、「木」を表す表現も多種多様です。もしも、「木」を表す言葉は、「ki」という音でなければならない、という必然性があったとしたら、世界中でこの、地面から生えてきて枝葉をつける植物は「ki」と呼ばれているはずです。しかし、実際はそうではない、という現実があります。これを、言語の恣意性といいます。

さて、このような「道具→言語」の理論は、日本でも語られてきました。
例えば、川上(1992)には、以下のような記述があります。
一方,直立歩行による道具の使用は,言語の形成の契機ともなった。道具の使用が言語の形成を促したのは,道具を使うことで手がふさがり,身ぶりによる意思の伝達が制約されたことが,有力な誘因であったとする指摘がある。発声器官が進化したことも確かめられており,また,類人猿以来の脳容積の増加一その機能の進化一が持続したことも,道具と言語の発達を反映していることは疑いない。
ここでは、道具が使えるようになったのとほぼ同時に、言語も発達した、という説が唱えられています。また、さらに川上(1992)の論文を読んでいくと、道具だけでなく、集団が形成され、そこで言葉が表す意味が共有されたことも、言語の起源の一要因として考えられる、としています。
今回のBBCの記事とかなり近い内容ではありますが、日本語で、かつ深く踏み込んだ内容になっていますので、ぜひ読んでみてください!
少し話がそれてしまいましたが、人々は道具や集団を作るようになり、それと同時に言語が生まれた、と考えるのが1つ目の説でした。
説②「言語能力は徐々に進化した説」
2つ目の説は、言語は突然現れたのではなく、言語や発話する能力が少しずつ現代にかけて進化していった、という説です。
The position of the vocal tract, the structure of the brain and the size of the spinal cord evolved slowly into the modern human form, over millions of years, indicating the human capacity for language and speech may also have developed over a very long time.
ここにあるように、身体的な構造が現代人に近づくような変化がみられたため、言語に関する能力が進化していった、と考える仮説です。
骨格など、現在まで残っている部位から、古代の人々がどのような音を発声することができたのか、復元することが可能なのだそうです。一方で、肺や声道など、軟部組織は現代まで残らないため、骨に残る痕跡から復元を試みているとのこと。例えば、頭蓋骨の空洞から脳の大きさを推定したり、骨から舌の構造を予測したりしています。
実際に復元された図が、香原(1974)で紹介されています。

香原(1974)によると、原人類は全体的に頭が前傾していますが、現生人類は頭がまっすぐになっています。これが、類人猿と人類を分けた点であるとしています。加えて、現生人類には唇があり、それによって細かく発音を調整できることも重要な差異である、と指摘しています。
まとめ
今回は、現在主流な2つの言語の言語の起源の仮説を、主に考古学の知見に則ってご紹介しました。言語学的にはどのように考えられているのか?も気になったので、また今度調べて記事にしてみます!お楽しみに~!
この記事を書いた人
参考・引用文献
Katherine Latham. (2026)The lost languages of ancient humans: Listen to stone-age chat. BBC https://www.bbc.com/future/article/20260303-listen-to-stone-age-chat-the-lost-languages-of-ancient-humans
香原志勢. (1974) 『人類進化と言語』「音声言語医学」15,2. pp.47-49.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjlp1960/15/2/15_2_47/_article/-char/ja/
川上幸一. (1992) 『起源を考える : 道具から言語(知識)へのルート』「経済貿易研究 : 研究所年報」18, pp. 51-64 https://kanagawa-u.repo.nii.ac.jp/records/4712



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